幹細胞コスメは効果なし？ネットワークビジネスの嘘について薬剤師が解説！

製品・成分・薬機法

2024.03.222024.08.29

今回は、ネットワークビジネスでよく言われている幹細胞コスメについて薬剤師の目線から解説します。

幹細胞コスメは、幹細胞を培養する溶液を化粧品に利用してるもので、その化粧品を使うと再生してすごい、というものではありません。

この記事では、そもそも幹細胞とは何かというところからわかりやすく説明していますので、嘘に騙されないようにしてください。

そもそも幹細胞とは？
培養する溶液を化粧品に利用してるだけ
正しい説明をせず嘘を言うのがいけない

そもそも幹細胞とは？

田原

今日は薬剤師の垣内さんに話を聞いていきたいです。

垣内

薬剤師バージョン？

田原

はい。
「幹細胞コスメの嘘を暴露！」
ということで、ちまたで言われている、幹細胞コスメ、幹細胞上澄み培養液とか？

垣内

上清液、上澄みの液なんだけどね、培養液なんよ。

田原

そういうのとか、いろいろ聞くじゃないですか。
ぼくは知らない言葉でしたけど、サイトカインとかですね。
グロースファクターとかですね。

垣内

あはははｗ
なに、ネットワーカー？

田原

ネットワーカーじゃないですｗ
そんな感じで訴求してる人が多いですよね？

垣内

あーなるほどね。
じゃあバカでもわかる、猿でもわかる幹細胞コスメ解説っていうことで、薬剤師で元ネットワーカー、マルチの帝王がやってみましょうか。

田原

ネットワークで幹細胞の商品を扱っている人は必見ですよね。

垣内

宣伝された人も必見ですよ！
おれさ、コスメすごい好きな奴で美容に詳しい奴はマルチの幹細胞コスメなんて使わないと思うんだけどね。
大体、幹細胞コスメって何を指してるか知ってる？

田原

何を指してるか？

垣内

うん。
幹細胞ってなんなの？

田原

幹細胞ってなんか良さそうなイメージ。

垣内

再生医療とかそんな話が出てきてると思うんだよね。

田原

肌が再生するんですよね？

垣内

するわけないじゃん、そんなのｗ
そんなわけないんだけど、まず幹細胞ってなんだろうってことからみんな知らないと思うけど、幹細胞コスメの幹細胞と言われるやつは三つぐらいあるんですよ。

田原

はい。

垣内

「体性幹細胞」という人由来のものと、もうひとつは「胚性幹細胞」人の受精卵由来の、いわゆるES細胞と言われるやつ。

田原

聞いたことある。
ES細胞。

垣内

ES細胞は人の受精卵由来だから規制がすごい激しいの。
「ちゃんとルールを守った、許可を得た研究所じゃないと研究したらダメ！」
みたいなのがあるわけです。

田原

はい、はい。

垣内

そしてもう一つ、三つ目が人工多発性幹細胞。
これが山中教授のiPS細胞。

田原

あー！
はい。

垣内

要は人由来のものがあるよねっていうのと、人の受精卵由来のES細胞があるよねっていうこと。
ES細胞とiPS細胞の違いは何かというと、人工で作ったのが山中先生のiPS細胞で、そうじゃないのがES細胞なのよ。
そのES細胞を研究した山中教授がiPS細胞で、
「これ人工でも作れるよね！」
みたいな。

田原

へー！

培養する溶液を化粧品に利用してるだけ

垣内

なんにでもなれる細胞ということで、iPS細胞ってあるわけなんですけど、これの安全性とか分かんないでしょっていうことなの。

田原

はいはい。

垣内

薬として許可を得ていないんですよ。
幹細胞コスメって言ってるけど、「ES細胞は」とか「胚性幹細胞は」とか「iPSが」とかマルチの人たちがみんな言ってると思うの。

田原

うん、うん。

垣内

いや、入ってないよ！
入ってないんですよ！
上清液っていうのは培養してるわけですよ。
幹細胞が入ってこれを培養する溶液ってゴミに捨てられるじゃん。
これを化粧品に利用してるだけなの。

田原

へー。

垣内

何かってだし汁なんだよ。
煮干しで取ったダシみたいな。
幹細胞で取ったこれが、原料が何なのかって、みんなほとんど知らないと思う。

田原

うん。

垣内

「体性幹細胞、胚性幹細胞、人工多発性幹細胞のどれなの！？」
っていうのはわかってないと。
研究所があってどこの研究所の、これは捨ててた物。
なんで培養するのってコラーゲンとかヒアルロン酸だから、これが悪いとか言うつもりはないのよ。

田原

はい。

垣内

これだったらありだよねって言うけど、
「これが肌に合って凄い再生してすごい」
ってなるわけないし、なるんだったら、なる証明持ってこい！
意見があるんだったらさ。
なるわけないじゃない？
ただ、コラーゲンとかヒアルロン酸は保湿なんか特に良いから、良いんじゃないですか？
でも、その値段は高いんじゃないの？って話なんですよ。

田原

なるほど。

垣内

ES細胞というのは1ピコしか入ってないと。
1兆分の1。
さらに10％だし、しかも保存剤とか色々入れるとES細胞とか死んじゃうからさ。
そもそも論じゃんって。

田原

へー、そうなんですね。

垣内

そうそうそう。
そもそも論でしょっていうことなの。
これはES細胞じゃないんだけど
「この中にはサイトカインがどうのこうの」
とか、
「グロースファクターがあって」
って、こういうことを言うわけで。
「じゃあサイトカインなんですか？」
って話なんですよ。

田原

はいはい。

垣内

サイトカインって、みんなが耳にするようになったのは多分コロナの時に重症者が死んだりしてたじゃん。
多臓器不全で最後死んじゃうって。
あれはサイトカインというのが暴走して、サイトカインは体を守るためにあるんだけど、免疫機能がバグって暴走して多臓器不全で死んじゃった。
その時にサイトカインストーム、サイトカインの嵐っていうことで名付けられて、それで耳にした人がいるかもしれないけど。
サイトカインって何？

田原

何なんですか？
想像もつかないです。

垣内

人間っていろんな諸説あるんだけど、六十兆個細胞があるんだって。
細胞が寄り集まってユニットがあって、そこに指令が飛んで体で動いてるわけじゃない？
ユニットごとに指示を出している指示系統があって、これが三つあると言われてる。

田原

はい。

垣内

これ何か？
神経系。
自律神経ポーンみたいなのが、興奮して収まらないみたいなのが、それはちょっと違うのかな？
その神経系っていうのと、あとはホルモン。
わかりやすいのはアドレナリン。
アドレナリンがボーンみたいなのとか、男性ホルモンだったらテストステロン。
脳細胞のアレが、お姉ちゃん追いかけるテストステロンがボーンみたいな。

田原

なるほど。

垣内

そうそうそう。
子供を見たらエストロゲン、女性ホルモンとか、女性ホルモンが多いと髪が剥げないとか、物質を阻害するハゲ薬がいろいろ出てきてると。
ホルモンであったり、いろんなものを妨害したり遮断したりでお薬が生まれてるわけなんですよね。

田原

はい、はい。

垣内

三つ目の系統が、サイトカインとケモカインとグロスファクターというやつ。
これは何かというと、脳細胞ならホルモンってちょっと離れた所に出して指示してるじゃん。
「テストステロン、ここにホルモンだせー」
みたいな。
離れた遠隔操作がホルモンってすると、サイトカインは分かりやすくいうと密接したところに指示をやるの。

田原

うん。

垣内

「ここ怪我したでしょ」
って言ったら、
「細胞修復ゴー！」
みたいな。
そしたら細胞が修復していくじゃん。
こういうのがサイトカイン。
これが暴走して多臓器不全になる。

田原

はいはい。

垣内

ここを怪我したら細胞があって、でもこっち増やしちゃだめよって。
これガンになったら困るから、みたいな。
サイトカインっていうのはそういったものとか、グロスファクターでヒト成長ホルモンなんてあるけど、ソマトトロピンがあるけれども。
「これが入ってるジェルがー」
って、いやいや輸入できないし。
科学者から言ったらバカなんじゃないのっていうのがいっぱいあるわけですよ。

田原

なるほど。

正しい説明をせず嘘を言うのがいけない

垣内

それは上清液で培養してるわけです。
そもそもその出汁、この煮干しが美味しいか美味しくないかですよ。

田原

元々のね。

垣内

うまいお店って出汁がしっかりしてるでしょ？
出汁どうなの？　って。
いっぱいあるわけですよ。
劣化したやつもいっぱいあるわけですよ。

田原

はい。

垣内

さっき言ったように、ちゃんとした研究機関なわけです。
例えばディオールとかだったらちゃんと研究してるんです。
例えば有名なロート製薬さんなんかも研究してるんです。
研究してるとこいっぱいあるわけですよ。

田原

うんうん。

垣内

ぼくの知り合いに京大で研究してるすごい女性がいるんですよ。
すごい大富豪です。
京大の先生で名前は出せないけど、ある化粧品会社を買収してる人がいるわけです。
すっごいきれいな女性なんだけど、ちゃんと研究してるんですよ。
ES細胞とかは生きたまま使うためにこうだよねとか、いろいろロジックがあって研究してるわけなんですよ。

田原

うんうん。

垣内

大学機関と一緒にとか、もしくは自分の研究所でとか。
ロート製薬やディオールなんかまさにそうだよね。
どこのをやってるんだろうね？

田原

そこは不明瞭なんですか？

垣内

わかんないよね。
ネットワークビジネスの会社ってみんな、研究所さえ持ってないでしょ？
どこかの原材料って出汁はどこなんですか？
あと、あったじゃない。
山中教授が
「うちはマルチとは関係ありません！」
みたいな。

田原

あー！はいはいはい。
ありました。

垣内

あったでしょ？
「自分は山中教授のー」
っていうやつ。
山中教授が
「知らねぇ」
みたいな。
これがなんだったっけ？
山口氏の、忘れちゃったけど。

田原

アイテック？

垣内

アイテックだよね。
そこで国会議員になった先生が何浪かのお医者さんになって、
「山中教授とはね」
って。
全然それ嘘だったよねとか、マルチでありがちな嘘なんですけど。

田原

確かに。

垣内

どこの研究所、どこのどの成分がって、出汁は何なの？
三つの幹細胞のどれなんですか？
これ自体はないですよって。
原液、上清液はいいものだと思うんです。
でもそれが二番出汁、三番出汁って、いやいやこれちゃんと管理されてるの？
この原材料なんですか？
だってゴミで捨ててたんだもん。

田原

ということは、コストもそんなにかからないってことなんですかね？

垣内

もともとはね。
だと思うよ。
いま原材料価格をちゃんと調べて話してるわけじゃないのでわからないんだけど。
そこの中にね、その細胞が分裂するために培養液があるじゃない？

田原

うん。

垣内

その中にサイトカインとか、いろんなものを発すると。
出汁が出てるから、これを塗ったらそこに細胞が行くとか…無いと思うｗ
あるの！？
逆に聞きたい、あるんですか？
これを見てる先生方がいらっしゃったら、
「垣内くん！これは効果があるんだ！」
ってぼく言ってほしいなぁｗ

田原

アイテックのときは指が生えるまで言ってましたからね。

垣内

んなわけねーじゃんｗ
そのiPS細胞は、人工で作ったこの細胞が何にでもね、臓器にでもなんでもなると。
だからぼくらが30年後とか、50年後はもしかしたら全ての臓器は自分から培養できるかも。

田原

へー！

垣内

肝移植とか、生体肝移植とかしたらずっと免疫抑制剤を飲み続けなきゃいけないの、人の細胞だから。
ずっと拒否反応・拒絶反応が起こるから。
だから自分の細胞で培養してやったら拒絶は起こらないし、めっちゃいいじゃんみたいな時代が来るんじゃないかと言われてる。

田原

なるほど。

垣内

でもやっぱり癌になるかもわからない。
この細胞が正常に進化するのか？
いやいや癌になるんじゃないの？
ということで、まだ薬として認可されているものがほとんどない。
これが現状なんですね。

田原

へー！

垣内

成分も入ってないのに、これであたかもすごい若返るぐらいの勢いで言ってるわけじゃん。
若返ってシワが無くなるって、んなわけねーじゃん！
保湿で良い物だしって、ちゃんと正しい説明をしてるんだったらいいと思うの。

田原

うんうん。

垣内

研究してる人たちもいて機関があって、この煮干しはどこですよ、とか出汁はこうですよみたいな、そういったエビデンスがあって、正しいことを言っている会社だったらともかく。
みんながわからん言葉を使って、
「これがすごいんだ！」
「うちしかないんだ！」
って、どうしてうちしかないの！？
政府が認可したところでしかできませんから、そこから出てるものなのは間違いないけど。
海外でようわからんものが使われてたり、そもそもそれ自体も使ってなかったりとかさ、あると思うの。
だからそんな訳のわからん言葉で騙されないようにしてほしいなっていう感じなんですよね。

田原

なるほど。

垣内

ぼくよりお医者さんとかもこういうことについては、幹細胞コスメはどうだとか言ってる。
ダイゴさんなんかボロッカスだからね。

田原

確かにそうですね。
効果ないって言ってますよね。

垣内

全く無いって言ってるでしょ？
ぼくも多くのドクターの話で、ぼくと同じように効果がないって言ってる。
ぼくも効果があるんだったら、なんで効果があるか知りたいわけです。
それは出汁であって、そこにES細胞があってそこにサイトカインとか、いろんなものが発生してって、そうかもしれないけど、ここに塗ってどうしてそうなるの？と。

田原

うんうん。

垣内

500ダルトンルールっていうのがあって、大きさによって入る入らないもあるし。
でも注射してもそれって癌化するかも分からないし、ようわからんじゃん。
だから言ってることが、どれもこれもこれも非理論的で。
「すごいいいよ」
って、貧乏な子がすっごい高い化粧品を使っているイメージで。

田原

はい、はい。

垣内

しかもその宣伝文句が
「だからすごいんだ！シワ取れるんだ！若返るんだ！」
って、いやシワもとれないし若返らない！
もちろん保湿に優れた成分を使ってるのは間違いないので、それ自体が小じわを軽減したり、みずみずしい肌を保つためには有効だと化粧品として思うんだけれども、言ってるような効果は全く無いよっていう。
「これが儲かる」
っていうネタが前面に出てやってるだけじゃない？

田原

なるほどなー。
幹細胞コスメとか今扱ってる人もいると思うんですけど、

垣内

CBDとかね。

田原

そうですね。
結構この番組では、どっちかっていったら否定的というか、そっち側だと思うんですよね。
ぼく思うのは薬剤師で、垣内さんで、周りにもいろんなブレーンの方がいるじゃないですか。
自分で本当にいいものを開発しようと思ったことはないんですか？

垣内

あるよ！
メーカーに提案したこともあるし、実際メーカーでぼくのアイデアが一部採用になってるのもあるし。
ぼくは日本でも最大級規模の、一番じゃないけど最大級規模のメーカーのオーナーに可愛がられているから、ぼくがアイデアを出したメーカーの製品もあるし、今も東大の先生方と共同開発・共同研究しているものもある。